すり鉢状の小さな街で懸命に生きて成長する少年少女。どんな場所でも生きると決めた人々の強さ・しやなかさを描いた小説。
お悩み
新学期が始まって、前学年の仲がいい子とクラスが一緒になれた。凄い嬉しいけど、何もしてないのに自分が何故かいじられキャラみたいになってて少し疲れた。少し距離起きたいけど置いたら面倒くさくなるの知ってるから無理だー。早く死にたい。(16歳・学生・女性)
ブックセラピストからのひとこと
あなたはどんな自分でいるのが一番好きですか?親に見せる顔、学校で友達に見せる顔、部活やアルバイト先、趣味に浸る時の顔、同じ自分でも色んな顔を持つように、私たちは無意識のうちに環境に合わせたいろんな自分をつくっているのだと思います。お友達はクラス替えして環境が変わったときに自分の何かを守る為に、どんな自分で居たらいいのか探ってるのかもしれないですね。さて、あなたは自身はどんな自分が一番好きでしょうか。周りがどうこう含めて、自分が居心地が良いと思う自分の顔を作っていけばよいのかなと思います。どんなキャラクターでいたいかは、あなた自身で作れるんです。
距離を置きたいけど置いたら面倒くさくなる。そう思う気持ちも分かります。ただ、面倒なことを起こさない為に自分を抑えてその場に留まるのが生きやすく感じるときもあるけれど、それが苦しく感じるときもありますよね。「今いる町で懸命に生きていくのもいいし、ひとつの町が苦しいなら他の町に移っていくのもいいんだ。」この本を読んで、私はそんなことを感じました。
きっとこれは町とか住んでる場所に限らず、学校や職場、人付き合いにも言えることで。今いる場所以外にもあなたが心地よく過ごせる場所はあるはずです。嫌だったら逃げてもいいんだと、学校以外の居場所を見つけてみるのもいいんだと思います。
ただ、そんなの簡単に言うなと思うこともありますよね。そう思うのなら、学校以外の時間であなたの世界が広がる体験をしてみるのはどうでしょう。年齢も性別も、職業も異なる人、自分とは全く異なる人と話してみる。そうすることで、自分の世界が広がって、ずっと生きやすくなるはずです。
私たちが思うよりもずっとずっと、この世界にはいろんな考え方があって、いろんな生き方をしている人がいます。その場に居てもいいし、居なくても良い。それぞれがそれぞれの場所で自分なりに精一杯ゆらぎ、泳いでいけばいいんだろうなと思うんです。
もう一冊、迷った本をお伝えします。にゃんたこ著【世界は救えないけど豚の角煮は作れる】(KADOKAWA)です。この本もきっとあなたの世界を広げてくれるはずです。
あたなが心地よいと思う生き方ができますように。