日常

肩の力の抜き方が分からない(28歳・男性)

本のタイトル
羊と鋼の森
著者
宮下奈都

「森の匂いがした。秋の、夜に近い時間の森。風が木々を揺らし、ざわざわと葉の鳴る音がする夜になりかける時間の、森の匂い。」
こんな言葉で始まる調律師のお話し。

お悩み

「しっかりしている自分」を周りから求められているが、しっかりすることに疲れてしまった。
もっと肩の力を抜いて生きていきたいが、肩の力の抜き方が分からない。
(28歳・求職中・男性)

ブックセラピストからのひとこと

⁡誰かのためになるのが嬉しくてはじめたことも、気づくとそれが自分になって、「しっかりしなきゃ」と自分を追い詰めて、抜けれなくなってしまう。
周りから「〇〇さんはしっかりしてるよね」と言われると、そうじゃなきゃいけない、みたいに自分の中で「しっかりしなきゃ」が膨らむような気がします。

周りの人は本当にしっかりした自分を求めているのだろうか。自分が作り出した幻想なのかもしれない。そんなことも思ったりします。

しっかりした自分を演じるのに疲れてしまったとき、一度お面を外して、静かな深い森へ踏み入れてみるのはどうでしょう。一旦、現実逃避です。

この本を読んでいると、「真っ当に生きてきた素直な人が羊と鋼の森を歩き続けられる。」そんなセリフに出会います。

しっかりした人ほど、損をしているように感じることもあるかもしれない。だけど、真っ当に生きてきた人だからこそ持てる強みがあるし、歩き続けられる世界があるのかもしれない。

仕事や人間関係の中で肩の力を抜くのは、簡単なことじゃないですよね。であるならば、まずは趣味や現実逃避の時間だけ、「しっかりしなきゃ」の仮面を外していけたらいいなと思います。
しっかりしたあなたも、肩の力が抜けたあなたも、あなたはあなたです。

暮らしの中で少しでも、「しっかりした自分」に捉われない時間が持てますように。

⁡ちゃんとしてなくてもいいんだって、思えるように。
もう一冊紹介しておきますね。
穂村弘「世界音痴」(小学館)

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