正しい絵、ちゃんとした絵を描くのが正解なのか。「っぽい絵」でもいいじゃないかと。正解や誰かひとつの価値観にとらわれる必要はないんだと。自分の好きなことがもっと楽しくなる絵本。
お悩み
幼い頃から絵を描くことがとても好きで、趣味でたくさん描いていました。
しかし、作品を通じて活動が増えていく様子に対する妬みの言葉や、出来上がった作品を受け入れることができない方の言葉が深く心に刺さり、一時期は画材に触れるだけで体調が悪くなったり、描けば描くほど涙が溢れて苦しむ自分がおりました。このままでは駄目だと思い、絵を描くことをやめてしまいました。
それから5年が経過した今。また絵を描きたいという気持ちになり、箪笥の奥底にしまいこんでいた画材たちを取り出しました。
体調を崩すということはないようですが、心の奥底で蠢く不安が払えず、頭の中に完成イメージはあってもなかなか一作品目が出来上がらない日々が続いています。それがまた苦しいです…。
(事務職・30代・女性)
ブックセラピストからのひと言
幼いころから絵が好きで。心無い言葉に傷つきながらも、また絵を描きたいと動いている姿を想像し、とっても絵が好きなのだろうなと感じました。
自分が好きでやっていても、誰かの声にどうしても影響されてしまう。
価値観や捉え方なんて人それぞれだって思っていても、影響されてしまうものですよね。
だけどやっぱり、影響されていてはもったいない。
狭い価値観に捉われずに自分の思うままでいいんだって。
体感的に感じることができるといいなと思い、「っぽい」という絵本を選びました。
そして、しんどいなと思う気持ちに。
こういう作品もいいかなと思い、もう一冊お届けします。
【夜明けのすべて】瀬尾まいこ
苦しい気持ちに寄り添い、必ず救いがあるのだと感じる小説。
生きる希望を無くしていても、少しずつ自分の好きを取り戻していける。
そして好きを取り戻せれば、”以前のように”とは違うかもしれないけど、もう一度自分の道を自分の足で歩んでいける気がします。
好きなものにもう一度手を動かそうと動きはじめたあなたはきっと大丈夫です。
あなたが好きなものを取り戻していけますように祈っています。

