本心を隠し「愛されたい」を軸に動く女子高生が、一冊の小説と出会い、心の支えとして変わりたいと動こうとするお話し。
お悩み
中学生になり、何か新しいことに挑戦してみたい。
特別夢中になれることがない。習っていたチアダンス。受験勉強があって辞めてしまった。受験は無事合格。一般コースではなく特進コースに入ることになった。嬉しかった。
勉強に追われる毎日。嫌じゃないけど。。。スマホを持っていないからちょっと不便。欲しいけど。好きなもの、好きなことって何だったっけ?好きだったはずなのに。自分にできないこと、ないもの、してこなかったこと。目立っている気がする。
友達の些細な言葉が心の深いところに刺さって抜けない。悪気はないって知ってるけど。他の人とは私って違うなー。みんな違って当たり前って言うけど。違いにも違いがあるのだな。ネガティブになってしまうことが多くなった気がする。
してみたい!買ってみたい!好奇心が減ってきている気がする。そのうち好きな本までもういいやってなっちゃうのかな。
自分への自分の心の支えがもっと重くありたい。真剣な話。友達には言いづらい。無理しているのじゃなくて、自分を見つめていない気がする。そう思っても、スマホに友達、持ち物、スタイル、髪型、顔、行ったことのあるところ、お小遣い、持っている検定。話される内容全てにイライラしちゃう。
自分でもどうしたらいいか分からない。塩対応なのじゃなくて、受け身なのじゃなくて、ただどうしたらいいのかが分からないの。貧乏なわけでもないし、両親は仲が良い。愛してくれているのだって分かっている。でも。自分が今後どう過ごしていくのか、どんな道を歩んでいきたいのかが分からない。
分からないが増える毎日。不登校でもなんでもない。みんなと一緒。のはずだったのに。イジメられることもないのに。みんなに美人だね。モテる顔だね。大好き。って言ってもらっているのに。私の中の私をみんなに共有していない。こんなネガティブで。苦しくもないのに泣いちゃう。自分でも何が起こっているのか分からない。
普通の中1。なにか助けを求めているのかもしれない。恋愛。してみたいけど。自分を感じれなくなっちゃった。お腹が痛い。第三者の意見が聞いてみたい。
(12歳・中学生・女子)
ブックセラピストからのひとこと
あなたのモヤモヤ、漂わせてくれてありがとうございます。
自分の"好き"が分からなくなったり、友だちとの会話に違和感を感じることってしんどいですよね。
わたしも、いじめられてる訳ではないし、周りから見ると満たされてように見えるかもしれないけれど、友だちとの間に膜があるように感じたり、オシャレやお出かけスポットの話しよりも「生きづらさってなんなのか」「学校に行く(働く)意味とは」みたいな大きなことを話したくて退屈したりしていることもあります。なので、あなたのモヤモヤをきちんと理解することはできないかもしれないけれど、なんだか分かるような気がします。苦しくないけど泣いちゃうこと、わたしもあります。変なことじゃないです。
正直にお伝えすると、あなたのモヤモヤを聞いてとても大人だなぁと感じました。わたしとあなたではひと回り以上年齢は離れているけど、一緒に読書会や哲学対話をしたいなと思ったりしました。(読書会や哲学対話って、すごく深いことを話したり、自分のモヤモヤを素直に話しても受け入れてくれる空気があったりして、すごく面白いんですよ。)
わたしと一緒でなくても、読書会とか哲学対話、好きなんじゃないかなと思ってしまいました。
今回紹介している本ではないけれど、自分の声を見失って生きづらさを感じる人を描いた小説の中で、「家でも学校でもない場所で多くの人(人数ではなく人間の種類が多いということ)と関わる方がいい。そうすることで生きづらさがほんの少し軽くなる。」そんなことが描かれていました。自分が分からなくなってしまうときは、いろんな人と、直接でも、本の中でも、出会うといいのかもしれないですね。
あなたの中をみんなに共有したかったらすればいい。したい人にしてもいい。しなくてもいい。どちらの顔もあなたで。自分が思うよりも、もっと曖昧でもいいのかもしれないです。
何かに挑戦したいと思ったり、好きなことが好きじゃなくなっちゃうかもと寂しく思ったり、将来を不安に思ったり。たくさん悩んで、気持ちをこうして言葉にできるあなたを素敵に思います。
いつか一緒に読書会ができると嬉しいです。

