暴力も浮気もないけど一緒にいると息がちゃんと吸えなくなる。そんな女性が熟年離婚を考え、悩みもがきながら再出発する姿を描いた小説。中々踏み切れない姿にもどかしさを感じることもありますが、現実ではこんな風に踏み切れないことばかりなんだろうなと。周りの目や相手の気持ちばかりに翻弄されるのではなく自分の選択をして生きていたい、そんなことを感じるお話です。
お悩み
夫の隣がつらい。助手席に乗ると気持ち悪い。好きで結婚したのは12年前。愛情深い家庭にしたくて家事に育児に仕事にとあわただしい日を過ごして、報われない努力を6年もしたら、生きてる意味もわからなくなって。あの人は変わらない、という確信だけが残りました。(30代・女性・自営業)
ブックセラピストからのひとこと
愛情深い家庭にしたい、その一心で家事育児、仕事、たくさん頑張ってきたのですね。本当に凄いです。お母さんはどんな職業にも敵わない凄さがあると私は思っています。
世間からは育児が当たり前と思われることもあるかもしれない。辛いということが分かってもらえないことがあるかもしれない。それでも、当たり前だと気づいていながらも1人で黙々とやり、子どもを育て上げることもある。どんな職業よりも身体も心も使う、お母さんの存在はどれほど立派なものだろうと思うのです。お母さんはすごく誇れることで、自信を持って生きてほしいと思っています。
自分ことですが、最近自分の親を「お母さん」ではなくて「○○(母の名前)」個人としては見てみたんです。そうすると"良い家庭を作らなきゃいけない"とお母さんを演じているよりも、自分らしく1人の女性として選択して生きている方が母は楽しそうで、私自身もそっちの母の方が好きだなと感じた自分がいました。
結婚してなきゃいけない、夫婦でいなきゃいけない、離婚した方がいい。何が正しいとかなんてなくて。「お母さんだから」ではなくてあなた自身としてどう生きていたいか。子ども視点でみても、お母さんが我慢して自分を殺して苦しんでいるより、自分の選択で伸び伸び生きている方が、自分の生きる道も見つけやすくなる気がします。
あなた自身が心地よく生きれる選択をしていけることを願っています。
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